地震 富士山 福田美蘭

まつを

2013年09月05日 12:34

東京で福田美蘭展をやってるみたいですね、本日の朝刊で知りました。私にとって、これはアンテナしょんぼりな事件です。


かれこれ三年前ですね、開館10周年記念特別企画展として霧島アートの森で開催された福田美蘭展。初めてみた彼女の作品群、私にとってはかなり衝撃的なものでした。

お父上が「日本のエッシャー」なんてプロフィールがまとわりついているようですが、私から言わせて頂ければ彼女こそが「日本のBANKSY」であって、シニカルな作品の持つパワーでは並ぶものがいないと言っても過言ではありません。そして彼女の願いはポリティカルアートとして作品からメッセージを強く世界に問いかけるのです。まぁ、この際アウト(サイド)かインかなんて事は考慮したくないのですが、グラフィカルアートとして在野に下った!としても彼女のセンスは卓越した輝きを放つでしょう。
で、東京に行って見てみたいのがこれ、たしか霧島に来てなかったと思います。


ブッシュ大統領に話しかけるキリスト (2002)

さすがの彼もキリストの言うことなら聴くでしょう、といった事でしょうか?作者名を隠すならば、悪の枢軸である異教徒どもをこてんぱんにやっつけちまえ、といった彼の妄想を具現化したものになるのかも知れませんが・・・。

そんな、霧島での展示が終わってから約三ヶ月後、あの地震が発生しました。

その時、私は彼女の一枚の絵を思い出すのです、いや否、正確に申し上げれば心の何処かに常設展が開催されっぱなしでした。


噴火後の富士 (2005)


形あるものはすべて壊れる運命にあり、美しさ(美)とは存在そのものであってどんな所にでも見出す事が出来る。これこそが不変の美なのでしょうなぁ。

多くの価値基準を短くし、効率のみを重視し、目線は近くなり、そして我が人生を悠久の営みのごとく解釈する(基準が自分だから、結果として対象物の一部の短い時間だけが切り取られる事となります)。

中身は変われど本質は変わらない人の姿、実にいとおしいものです。昨今の熱をおびている富士山振興(信仰ではなく)もほどほどに。そしていつ終息するとも知れぬ原発問題、出来るかぎりを確実に、長い道だと思いますが一歩づつ進んでいきましょう。



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